ごまめの母のしま

2002.4星になる。
《別ブログから持って来やした。》
2002・春
小春日和の暖かい季節、ドアを開けっぱなしで良い風が入るので、仕事中もドアを開けていることが多い時期。
ひょいとシマシマのお腹の大きな猫が現れた。
ノラとは思えない人懐っこさでスリスリ寄って来るもんだから、餌をやらずにはおれない。スリスリしなくてもやってるとは思うが・・・。
これでもか!!!ってほど食料を腹いっぱいに彼女は出て行った。
毎日現れるようになったので、その子を《しまちゃん》っと呼び名を付けた。
でも1週間も通うか通わないかで、姿を現さないようになった。
それから15日ほど経った時に、しまちゃんが久々に登場!
腹が小さくなってる・・・。赤ちゃんを産んだんだと分かった。
またまたしまちゃん通いが始まった。入れれるだけ入れる勢いでたっくさん餌を食し、3時間ほど店内で横になりお客さんに良い顔でなでなでしてもらい、くつろいで帰っていく日々。
どこに帰ってるのか気になるのでコソッと尾行してみたら、近所のパチンコ屋の裏のほうに入って見えなくなった。
そんなこんなのある雨の日、近くの会社のお兄さんがダンボール箱を持って困っている様子。
気になったので 近寄ると子猫が二匹。
どうしたのかと言うと、シマシマの猫が家の隣の動物嫌いのお家に1匹ずつくわえて開けてあった玄関から入って来たらしい。
それを どうしようもなくてお兄さんに託したというわけ。
雨も降るし、お兄さんは仕事中だし困っているので、自然と手が伸びてダンボール箱を受け取ってしまった・・・
まだ生後15日位の元気そうな子だった。
預かって少ししたら例のしまちゃんが入ってきて、即座に子猫の元に・・・。
あ〜〜〜しまちゃんの子???だったらしい。
ミルクをやってるからそうだろうし、しま模様だもんな〜。。。
2匹にミルクをやり、くつろいで居たのでそのまま家に居るのかと思ったら、スタスタと外に行って帰って来なかった。
翌日朝からしま母さん登場でミルクをやるが、すぐまた出て行った。
どこに行ってるのかな?っと不思議。 
その日仕事が忙しく、途中お客さんとの会話で「さっき猫が子猫加えて入って来たよ」っと聞いて、「あれ野良の子なんですけど保護してるんです。」ってした。
夕方やっとゆっくりしたので 子猫の様子を見に中に入るとしま母さんを入れて4匹になってる!!!
お客さんが見た加えられた子猫はまた新たな子だったみたい。
その日からしま母さんも帰らなくなり家に入り浸り。
我が家は猫は外に出さない飼い方なので、このままトイレを準備してしまちゃんも室内で居てもらう気でいたけど、なんとしま母さん尻癖が悪く猫用トイレでは用をたせないみたいで、失敗しかしないので外に出すしかなかった。
朝7時に私が店に出るとしまも出てくるので、外に出してやる、行く田んぼは決まっているので用をたしたらすぐ帰ってくる。
夕方出してやったら スタスタ田んぼに行き、済ませたらすぐ帰ってくるのパターンが出来あがった。
うちに来て1週間で 子猫達は順調に大きくなり、トイレの躾も出来た。
離乳食も始まり一安心するのと同時にしまちゃんの体調が思わしくない。
鼻水に咳・下痢・毛もすごく抜ける。獣医さんに行くと、ウィルス性のものだから時間がかかる。子育てが終わったら本格的な治療に入りましょうっと言われた。
子猫達も里親が見つかりもう少しで離れるのでそれからっと思っていたある日…
仕事が休日でゆっくり寝ていて8時過ぎに 父の大きな声!
「しまがひかれた〜〜〜」
飛び起きて下りると、血だらけのしま。
話を聞くと、いつも行く田んぼに向かっていたのかフラフラした感じに歩いていたら、スピード出た車にポ〜ンと跳ねられたらしい。
見た目は崩れてはなく、口からの出血が主だった。
その日父も休みで7時に出してくれて、すぐ帰って来ていたらしいけど、バタバタ用事をしていて後で良いわっとほっといたみたい。
しまにしたら 居れてくれないので諦めたか、またトイレがしたくなったのか田んぼにもう一回向かっていく途中でも出来事だったみたい。
もし私が普通に起きてればひかれることなかったかも・・・っと何度も自分を責めた。申し訳なくて。
しまを綺麗にしてやって そうそう子猫は・・・っと様子を見に行くと、3匹ともお腹がパンパン。ちゃんと我が子にミルクをたっっぷりやってくれてた。
なんて良く出来た母なんだ〜。
あとになって思うこと、子猫は離乳食で母のミルクは必要なくなる時期・しま自体難病を持って治療に大分かかる。とても人を良く見る猫だったのでしまから逝ってくれたように思えてしまう。迷惑かけないように・・・。
これがしまとの短い思いで。
そのしまの子達は ホントは3匹とも飼い主が見つかっていたのに、うちの母がしまの形見に1匹残したいとの希望で 贅沢にも飼ってくれると言う方を一人お断りして、選んでもらって残った最後の1匹を我が家に迎える事となった。
やはりこやつが残ったか・・・って子がちゃんと残った(笑)
名は《ごまめ》
しま似で人懐こい性格で、猫のくせに如何なる時も爪を出さない安全猫。
母さんの分までたくましく優しく息長く居てほしい。
しまありがとう!ゆっくり休んでね。